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ジャンプスターターの改造

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suaoki U10を改造しました。本体と安全装置間の延長ケーブルに続き、安全装置とその先のケーブルとワニ口クリップに手を加えました。安全装置は、横の小さい穴からしか確認できなかった動作確認ランプの光を、短く切ったアクリル角棒で上側に導いて確認しやすくしました。小さい穴に細い棒を差し込まないと押せなかった強制スタートボタンは、ホームセンターの自動車用品売り場で入手した適当な大きさのプラスティリベットという物(内外装の固定に使われるであろう部品)を加工してボタン上のケースに内側からはめ込み、直接指で押せるようにしました。
ほぼプラスチック製で頼りなく感じていたワニ口クリップは、金属製のクリップに絶縁カバーの付いた大自工業(Meltec)の8sq用の物(BC-50C)に交換しました。安全装置とクリップまでのケーブルは、マイナス側はそのまま使用し、プラス側だけ純正の8AWG(8sq相当)より太い6AWG(14sq相当)のシリコンケーブルを使って元より20cm位長くしました。一度純正と同じ8AWGで長くしたのですが、ワニ口クリップの所で調べたCCA値が低下したので、あらためて6AWGで作り直しています。


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純正の赤ケーブルは約22cm。6AWGで約40cmに作り直しました。できるだけ長くしたかったのですが、太いケーブルでもCCA値が思うように改善せず、この長さにしました。安全装置側はハンダ付け、クリップ側はかしめてハンダ付けです。途中CCAテスターで確認しながら作業しましたが、ハンダ付けの良し悪しでコンマ数mΩ位の違いがあるかもしれません。CCA値でみると結構バカにならない数値です。


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分解した純正のワニ口クリップ。金属部分は先端だけで、ヒンジ部分ははめ込みです。多くのジャンプスターターで同じ物が使われているようですが、使おうとしたらいきなりばらけたというレビューもあり、耐久性に不安を感じていました。しかし電気的には優秀で、グリップ根元でケーブルを接続するよくあるワニ口クリップに比べて電気抵抗の面で有利です。コストダウンも含めてよく考えられています。交換したワニ口クリップ(本体は鉄製で銅めっき)はグリップ根元のケーブル接続部分付近と先端のクランプ部分では、プラスマイナス合わせて1mΩ近くの抵抗値の違いがあります。微々たる数値ですが、ケーブル数十cm分くらいのロスで、CCA値だとかなりの違いになります。結局、交換したワニ口クリップではグリップ根元からヒンジを過ぎたあたりまで8AWGの渡り線を無理やりハンダ付けで増設しました。これで根元と先端の抵抗値の差が改善し、改造前と同じ300CCA前後が出るようになりました(本体と安全装置間の延長ケーブルを使用しない状態)。

CCAテスターでチェックしながら作業しましたが、思うようにCCA値が改善せずあせりました。予定よりケーブルを短めにして渡り線を付けてまずまずの数値になりましたが、繰り返しのCCA値測定でリチウムイオンバッテリーにダメージがあるのかCCA値測定がそれなりに電力を使うのか、安全装置側のハンダ付けでリレーに熱が伝わり数値に影響したのか、予想通りにはなりませんでした。ケーブルの抵抗値は事前に1mの長さで95D31のバッテリーにつないでCCAテスターで調べてバッテリー単体での数値との差で把握しましたが(1mで6AWGだと1mΩ、8AWGで1.9mΩだった、接続部分でのロスもあるかも)、10cm切り詰めるよりもハンダ付けの良し悪しの方が影響大きいかもしれないと感じました。CCA値は翌日数機のエンジン始動を試した後に測定すると、改造直後の数値を大きく上回り改造前よりもいい315CCAを記録しました。大電流でバッテリーが活性化するのでしょうか、リレー接点がアークで浄化されるのでしょうか。その後測定を繰り返すと300CCA前後で落ち着きました。ケーブルの長さはもう少し欲しいので、再度付け替えるかもしれません。

ちなみに本体と安全装置間の延長ケーブルは8AWGで長さ10cmちょっとくらいで、それを使うと抵抗値は1.3mΩ増加、CCA値は30ほど低下します。ケーブルの延長による影響以上にコネクターによる接続箇所増加の影響の方が大きいようです。


2018/02/07 追記
ケーブルの長さを気にするのは、ジャンプスターターを使おうとしている機器が(自動車ではない)、バッテリーから出た配線が劣化していることがよくある為に、それを迂回して離れた所に接続したいからです。セルモーターのマグネットスイッチに接続したこともありますが、込み入った箇所だとショートの危険性が高く、あまりやるもんじゃないなと思いました。
改造したケーブルの長さでも不安がありますが、1m未満の短いブースターケーブルを作るという手を思い付きました。ワニ口クリップ同士で挟んで延長したり(改造前にも考えた気がする)、別の手軽に持ち運べる小さいバッテリーも一緒につないだりと色々使えそうです。
改めてワニ口クリップ(クランプ)やついでにジャンプスターターも調べたりしていて(ケーブルの太さはかなり気になる)、NOCOというジャンプスターター出してるメーカーに、先が細くて色んな所に接続しやすそうなクランプあるなあと調べていたら、メーカーの商品ページの中段に、"私達の溶けずに煙の出ないクランプは金属構造で補強されているのに対し、一般的なクランプはプラスチック構造です" みたいなことが書かれていました。自動車修理の現場で様々なジャンプスターターを使った人の体験談によると、実際にクランプが焼ける事もあるようです。金属製のクランプに換えてて良かったと思いました。ターミナルが錆びていて接触不良の為かセルを回した瞬間に火花が飛んだことがあるので、接触状態には気を付けようと思います。

ジャンプスターターは自分が買った時より更に高出力の物が出ていました。ケーブルの太さが気になって調べると7AWG(10.55sq)でした。NOCOでピーク電流が同レベルのGB70(魅力的だけど手が届かない)は6AWG(13.3sq)が使われていました。


2019/01/03 追記
最近の高出力ジャンプスターターを調べていたら、本体と安全装置をつなぐコネクターに、よく使われているEC5より大きいEC8というのを使っている機種がありました。この部分での電気的ロスは大きいでしょうし、強度の面でも有利になるだろうと思います。収納性等を気にしないなら本体直結がベストでしょうか。

by shedlighton2 | 2017-03-24 02:53 | 電気関係 | Trackback | Comments(0)
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